ごく一部、JR東海と線路を共有する名鉄にあっても、この日にダイヤ改正が行われるが内容はかなりショッキングだ。
名古屋本線においては日中、名鉄岐阜への急行がすべて名鉄一宮で折り返しになるほか、須ヶ口・豊明間準急の新設(実は前回改正で消滅した一宮・豊川稲荷間急行のスジの一部復活)などが話題になるが、大きく変わるのが各務原線と知多新線だ。
各務原線は全列車の編成統一、ワンマン化と犬山線犬山と岐阜の間に全列車を普通列車として封じ込める線内運用(厳密には犬山線に二駅乗り入れるから線内ではないが)に変更になるが、大体の列車の運行頻度は朝の一部を除いては確保される見通しだ。
写真は今現在、朝に走る6連の急行。
今現在、特に朝と夜、犬山線のみならず名古屋本線、常滑線、河和線、知多新線、西尾線と相互に直通している列車がすべて消えることになる。
知多新線は現在の3種の列車が合わせて毎時3本という形態から、日中は普通のみ毎時2本の線内ワンマン運転に変更され、観光シーズン等にはどうなるか分からないが、今後は日中は特急・急行が乗り入れなくなる。
写真はかつてのパノラマカー特急。
これを少し考えると、各務原線は積極的合理化、知多新線は消極的合理化と言えるのではないだろうか。
岐阜と犬山を直結し、中間に各務ヶ原市のある各務原線に廃止の話などでないだろうが、すでに宅地開発も頓挫し観光需要も見込めなくなった知多新線は将来の廃止へ向けた第一歩と捉えられてもおかしくない。
嘗ての華やかな多線区直通列車があったころの残照をわずかに残す両線が、それぞれの道を歩き始めるわけで、なんとも感慨深いものがある。
名鉄の多線区直通列車は、かつては新名古屋には殆どの線区から直通列車が乗り入れ、複雑怪奇なダイヤ、車両運用が楽しめたものだ。
三河線や蒲郡線にも、名古屋本線から直通する優等列車があったし、岐阜地区の600V線区では、すべての駅から新岐阜へ直通列車が存在し、新名古屋でも一回の乗り継ぎだけでいけるように設定されていた。

それが当時の国鉄の、貧弱な地域輸送に対する圧倒的なシェアを持つ要因の一つだったことは否めない。
しかし、本線や犬山線、常滑線の捌ききれないほどの需要に対し、どうしても支線区では需要は小さくなってしまう。
本線の6連や8連の列車を支線区に直通させるのは大いなる無駄ではあるし、余分な車両を抱え込むことにもなってしまう。
運用も複雑であればあるほど、万が一の抑止事態の際に復元が難しくなってしまう。
そう言った意味で、まず、ある程度の輸送需要のある三河線が線内運用に固定化されたのはずいぶん古い話だ。
名古屋直通の特急が廃止されたのが昭和52年、15分ヘッドの普通のみのダイヤは「新快速並み」と言われて利用しやすいと評判だったようだ。
いったん、20分ヘッドになったものの平成になってからまた15分ヘッドに回帰、ただし末端区間は南北いずれも気動車化、さらには廃止となって需要の大きな区間だけが残された。

三河線は平成13年に北線、平成18年に南線がワンマン化されたが、その後、似たような状況である各務原線のワンマン化まで随分と日が経ってしまった。
これにはやはり各務原線の複雑な運行系統が影響していたのかもしれない。
昭和の新岐阜駅…
各務原線列車の様子だ。
犬山行きの急行に7500系が来た。
もちろん、6連だ。
犬山・新名古屋経由内海行急行・大回りで知多半島の先端へ。
6000系鉄仮面編成。
3880系(元東急車)3889による小牧線上飯田行。
その編成の上り方だろうか、3880系2885、上飯田行。
線内途中の三柿野行き準急。
冷房付き3780系だ。
知多新線に関しては大きな期待があっただろう・・
紆余曲折する路線計画、用地買収の困難、難工事、やっと開通した知多新線はしかし当初名鉄が思い描いていたものとは違う形になったことも否めない。
海水浴場から遠い駅、観光施設から遠い駅、町の中心から遠い駅はいずれもバスで連絡せざるを得ず・・
住宅開発は行政と軋轢に苦しみ、結果として思い通りの結果を出せず・・
唯一、沿線に出来た大学と付属高校の通学路線としては少し光が見えた。
開通当初は乗客で賑わった路線もやがて閑古鳥が鳴くようになってしまう。
新しい道路が開通し、快適に現地へマイカーでいける・・さらに言えば中京圏は日本で最もモータリゼーションの進んだ地域でもある。
開業当初の内海駅・・
停車しているのは7500系7515F、大きな看板が目印だ。

6000系急行犬山経由新岐阜行き。
数年前の写真、1700系特急。
先日の撮影、2200系特急佐屋行。
知多新線、河和線、常滑線、名古屋本線、津島線、尾西線にわたる直通列車だ。
平日昼間の3500系全車一般車急を知多奥田にて。
知多武豊近くにて、SR最後の砦・・5300系による内海行全車一般車特急。
つい先月、随分寒い日だったが、朝の各務原線の雰囲気を視たくて、鵜沼宿駅で降りた。
そう言えば、各務原線を沿線で撮影することはこれ迄本当に少なかったと思う。
朝の光の中、5000系急行が岐阜へ向かう。
線内での急行運転も全て取りやめとのことだ。
こちらは吉良吉田行きの後追い、新鵜沼から急行に変わる。
各務原線、犬山線、名古屋本線、西尾線にわたる多線区直通列車だ。
3100系が先頭の国府行。
5000系による快速急行河和行き、各務原線、犬山線、名古屋本線、常滑線、河和線の直通列車だ。
こちらは豊橋行き
この時点では2連の急行吉良吉田行き。
ツートン3100系だ。
そして内海行き3300系。
各務原・犬山・名古屋・常滑・河和・知多新線にわたる直通。
時代が変わる。
地域社会の中で鉄道が果たすべき役割も変わる。
その中で鉄道はしたたかに生き残って行かねばならない。
この春の改正では様々な変化が各地で見られるが、自分としてはやはり、名鉄の大きな変化に目が行ってしまうわけだ。
つい先日の金山駅での特急内海行、1000・1200系。
6500系による犬山経由岐阜行き急行・・犬山橋で。
この列車も河和か内海から来たはずだ。
名鉄各務ヶ原線が全てワンマン運転化されてしまったので
?発犬山経由岐阜行きも(逆の岐阜発犬山経由?行き)
もう全て完全に消滅してしまったことになるんですよね!?
・・・てか?の行き先や始発としてくるところは
やっぱり内海&河和なんですよね!?
(現在でいう新鵜沼始発&終着便が該当か!?)
・・・それでふと気になったのですが・・・
いっそのこと各務ヶ原線⇔広見線とを直通一体化運用してみたらどうでしょうかね!?
これで直通化運転できましてスイッチバックする必要性が解消されますのでね・・・
もしも共にワンマン運転化するのならの話しですが・・・
多分絶対にまだそうしないでしょうが・・・
それと岐阜発羽島市役所や新羽島直通便も
いつのまにやら思いの外随分と減ってますな・・・
(勿論逆便も含む)
今回は消えましたけど、各務原線と広見線の直通は結構ありました。
ただし時刻表にその表記がなく、犬山に着くと列車の行き先が変わる形です。
ま、次にもし、広見線がワンマン化したらそう言う列車もできるかもですね。
名鉄の合理化にも一抹の寂しさを感じます。
書かれていらっしゃるように、名古屋で見ていると様々な行先を目にして実に楽しいものですが、少しずつ直通先が減り、整理されてきているのを感じます。
どの鉄道会社でも系統や区間が分離され、以前よりも短い区間を折り返し運転するようになりました。
名鉄も同じ流れなのだと思いますが、名鉄の路線の隅々までの配慮が失われていくように感じられるのが残念でもあります。
また乗りに行って応援しなければという気持ちになります。
しかたないのかなとは思いますが、やはり寂しいですよね。
かつては名古屋からほとんどの線区の末端まで直通の特急や急行があったのにと‥