2020年07月04日

パノラマスーパーの32年

名鉄特急と言えば、パノラマカーをはじめとするSR車が沢山の乗客を乗せて濃尾平野を快走するイメージがあるのだが、パノラマカー7000系に白帯車ができた頃から特急専用車の登場が利用客からも会社からも望まれていたのは事実だろう。

パノラマカーで名を馳せた7000系、7500系と言えど通勤輸送を考慮した造りで、展望席・転換クロス・連続窓ではあってもロングシート部分もあり、吊革もついていて、天井からは中づり広告というのでは、小田急や近鉄、東武、西武、南海などの華やかな他社特急に比せばどうしても見劣りしてしまう。

特急専用車としてはすでにキハ8000はあったが、これはいわば例外的な存在で国鉄直通の観光列車、通勤輸送は考慮されていなかった。
パノラマの新時代を目指して颯爽と登場したのが、1000系パノラマスーパーだ。
河和線名鉄1000青空.jpg

時に昭和63年、国鉄が民営化され、真横の東海道本線は本数増とスピードアップ、117系の増備で大きく飛躍しようとしていた。
既に名鉄では昭和61年にJR東海の設立を見越して、新型SR、5300・5700系を出してはいたが、ここは一気に華やかさを身につけてライバルを引き離そうとしたのだろうか。

パノラマスーパー1000系は新時代の名鉄のイメージリーダーとして、中京圏の代表的な鉄道こそ名古屋鉄道=名鉄である証として、さっそうと登場したと僕は見ていた。

その少し前、昭和59年、名鉄には画期的な観光特急が登場していた。
パノラマDX、8800系で、パノラマ7000系の中間車を廃車、その機器を流用して創られた、日本初の二階前面展望室やセミコンパートメントの客室などを持った観光特急だった。
名鉄8800系2連犬山橋カラー.JPG

8800系の車内。
名鉄8800車内.jpg

けれど、名鉄はどちらかと言うと都市間連絡鉄道で、観光需要もあるものの例えば南海の高野山、小田急の箱根、東武の日光のようなわけには行かない。
名鉄犬山橋8800・2連.jpg

どちらかと言うと、近鉄の都市間特急のような車両が求められていたのではないだろうか。

満を持して登場した名鉄らしい特急専用車、それが1000系パノラマスーパーだったと僕は見ている。
他社観光特急に負けない華やかさ、内装のレベルも高く、パノラマスーパーが出て逆にパノラマDXが色あせて見えたのは致し方のないところだ。
名鉄1000系4連犬山橋.JPG

しかし、僕は個人的にパノラマ7000・7500が大好きで、たとえ質素な内装であってもパノラマカーに払う特急料金は惜しくない、そういうファンだったから登場時はまともに乗らなかった。

全席指定、8連もの特急が河和線を走る。
名鉄1000系8連.jpg

当時から名鉄特急は「たまたま来たのが特急だから仕方なく料金を支払った」人が多いとされていた。
自由席特急に相当する「高速」なんて種別もあったし、急行も頻繁に運行され、そのほとんどがSRによる運行だったから、時間に余裕がある人は特急をやり過ごせばいいんだろうけれど、急いでいるときはそうもいかない・・
名鉄の特急料金は今も昔も他社に比すれば随分安いけれど、無理に払わされる乗客から見れば、高い安いも問題ではないのかもしれない。
切符以外の料金を取る列車が来てしまった不運と思う人もいただろう。

パノラマスーパーになって、一般席のSRとの差が大きく、乗ってしまえば満足感もあるだろうが、やはり名鉄は都市間連絡鉄道だ。
やがて、名古屋本線でパノラマスーパーに一般席のSRを連結した運転が開始、そしてその一部指定席と言うやり方は乗客に大好評を持って受け入れられた。
名鉄乙川1000・7000斜め.jpg

だが官庁からの指摘もあり、編成として一般席・特別席とした特急の営業方針の大変革が行われる。
雑多な車両を連結していた楽しませてくれた名鉄特急の短い時代は終わり、統一されたデザインで編成美を魅せるパノラマスーパーの新時代に入っていった。
名鉄1000・1200木曽川堤.jpg>

支線直通特急には3連化された8800系パノラマDXも使われた。
名鉄8800鵜沼.jpg

最後に8800系に出会った時、支線の特急用途で使われていた。
名鉄8800知立2008.jpg

支線直通用パノラマスーパーとして1600系も登場した。
パノラマ7000に対する7700のような存在だろうか。
名鉄1600系犬山橋.jpg

パノラマと言うにはなんだか厳つい、でも男前の電車だ。
名鉄1600系犬山橋 (2).jpg

やがて全車特別車特急が中部空港用「μスカイ」を除き全廃され、なんとパノラマスーパーに大量の廃車が出て、その機器を再利用して通勤電車を作るという・・名鉄ファンの僕には信じられないことを見せた名鉄。
5000系を名乗るこの車両からは、かつての名鉄のステータスを感じることは全くなく、僕にとっては受け入れるのに時間がかかったが、やわらかな曲面で構成されたフロントデザインや、大人しい色合いに今では好んで撮影する車両になったのだから鉄道ファンなどと言うのは当てにできないと自分で思ってしまう。
010504岐南名鉄5007.JPG

残存するパノラマスーパー1000系は更新され、色合いは名鉄と言うより京急のそれに近くなった。
だが、嫌いではない。
新しい名鉄特急のイメージとしてとても良いデザインであるとも思う。
0322熱田名鉄1000リニューアル.JPG

1600系は、2200系に合わせ3両編成のうち1両をまだまだ新しいのに廃車、残る2両を2200系一般席車である2300系と連結して走るようになった。
そして系列名は1700系になった。
1122名鉄舞木1700・2230・3200系特急.JPG

だが、この姿もすでに一部廃車が出て2200系に置き換えられ、残る車両の命脈も尽きようとしているという。
(ちょっとパノラマスーパー大量廃車の頃から名鉄はあまり車両を大事にしなくなったような気がして、その点がファンとしてはとても残念だ)

それでは、パノラマスーパーの写真を眺めていきたい。
パノラマカー7000系との併結。
名鉄乙川7000・1000.jpg

日本を代表する前面展望2車種の豪華な特急。
名鉄乙川1000・7000.jpg

東笠松を通過する併結特急。
名鉄1000東笠松.jpg

5300系と1000系・・
なんと、一般席車は2両のみだ。
名鉄東笠松1000+5300.jpg

乙川にて5300系との連結。
名鉄1000・5300.jpg

新鵜沼にて。
上り向きで二本並ぶ。
名鉄1000横顔新鵜沼並び1991WEB.jpg

青空とパノラマスーパー。
河和線名鉄1000サイド青空.jpg

木曽川堤にて1000系、後ろには1200系一般席車が繋がる。
名鉄1000木曽川堤WEB.jpg

後追い、1200系。
5700系とは異なり3ドアの車体を採用したことがラッシュにも対応でき、この電車の寿命を延ばしたように思う。
名鉄1200木曽川堤2002.jpg

知立だろうか。
名鉄1000知立2002.jpg

舞木付近を行くパノラマスーパー1000・1200・1800系による8連特急。
増結用1800系を後ろにつないでいる。
名鉄1000・1200・1800舞木.jpg

こちらも8連特急。
0322舞木名鉄1000原色.JPG

ここからは最近3年以内の写真だ。
金山に入る1800系。
0106金山1800系.JPG

1200系と6500系が並ぶ。
0321金山名鉄1200・6500.JPG

旧塗装の1000系。
0322熱田名鉄1000.JPG

JRの尾頭橋から眺める。
雨模様の夕刻、パノラマスーパーが走ってくる。
尾頭橋名鉄1000旧色20180321.jpg

岐南で・・1703特急、この編成の特別車はすでに廃車になった。
010504岐南名鉄1703.JPG

最後の旧塗装車、1131F、7500系の機器を再利用した最後の編成だったが。パノラマスーパー1200系必要本数のリニューアルが終わったときに廃車になった。
010504岐南名鉄1131上り.JPG

名鉄岐阜へ入る1131Fの一般席側。
名鉄1131F1431名鉄岐阜20180809.JPG

パノラマスーパー展望席から見た1131F。
010506①000車内から名鉄1531.JPG

パノラマスーパーがリニューアルされたことは、僕に少し安心感をもたらしてくれた。
塗装が変わっても走ってくれるなら何よりだ。
それに、新塗装もよく似合っていると思う。

ライバルJR311系、2200系と並ぶパノラマスーパー。
0321金山名鉄1000リニューアル・2200・JR311.JPG

塗装変更時の新旧連結。
0322下地名鉄1200・1800連結部.JPG

新塗装、1200系一般席側。
藤川にて。
0322藤川駅名鉄1200リニューアル.JPG

名電山中、パノラマスーパーが行く。
0322名電山中名鉄1000リニューアル俯瞰.JPG

後追い。
0322名電山中名鉄1200リニューアル俯瞰後追い.JPG

神宮前、2200系とパノラマスーパーの並び。
名鉄1000・2200神宮前.jpg

東笠松駅跡、1700系最後の春。
0402名鉄東笠松5・1701.JPG

パノラマスーパーの雄姿。
0402名鉄東笠松8・1000系.JPG

舞木付近にて、大雨の後。
0322藤川南名鉄1000 (2).JPG

島氏永、1000形サイドビュー。
0402名鉄島氏永15・1012.JPG


パノラマスーパーの車内。
010505名鉄1000車内.JPG

展望室。
010506豊橋名鉄1000展望室.JPG

展望室を上り口から見る。
010505岐阜名鉄1000展望室.JPG

1200系一般席。
20180830名鉄1200車内.JPG

1700系車内。
20190106内海名鉄1700系車内.JPG

パノラマスーパーがある限り、僕は名鉄に通い続けるだろう。
そのあと、どうなるかはもはや誰にも分らず、期待の新型パノラマが出るか、それとも2200の天下となるか・・
ともかくその時まで、せいぜい楽しんでおきたいと思う。
パノラマスーパー、どうか少しでも長く生き残ってほしいと願いつつ。
0321尾頭橋名鉄1000サイドアップ.JPG
posted by こう@電車おやじ at 20:11| Comment(1) | 名鉄の思い出 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
管理人さん、お久しぶりです。PS、楽しく読ませていただきました。2008年から2016年まで。名古屋に十数回足を運んでPSはよく乗りに行きました。4両のほう、置き換え最後のころに新鵜沼~内海の特急で往復しましたが、平日のデータタイムだったのに結構乗車率が良かったんですよ。4両に半分弱くらいは乗っていました。夕方以降は8両で満席でしたもん。これで廃車で廃止って、残念がったものです。1700はほとんどつかまえられずに1回しか乗ってないです。2200に比べて加速に違和感はありましたけどね。後、PS、旧カラーですけど。4両と6両では微妙に色使いが違っていましたね。
4両のほうが白が強かったです。Ps、これからもがんばってほしいですね。後、美濃町線の1981年の記念切符を
メルカリで入手しました。また名鉄関連、よろしくお願いします。
Posted by 快速準急 at 2020年08月02日 17:49
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