国鉄高砂工場、一般型客車の記録

今回は高砂での客車の記録だ。
20系以降の新系列客車は次の機会とし、普通列車や急行列車に使われた客車たちの工場での姿を紹介したい。
なお、一部にこれまで未公開だった写真も含まれるほか、過去に公開した写真も再スキャンのうえサイズアップして公開したい。

オハ35、戦前の標準型原型を保った美しい姿。
竜華の所属だが車両区記号は書き換えたあとがあり、和歌山か亀山からの転属だろうか。
番号不明。
新高砂オハ35番号不明初期型.JPG

オハ641、和田岬線用の究極的通勤客車とでも呼べるもの。
中ドアは高砂での設計施工で、このシリーズは全般検査では僕も深くかかわってきた。
新高砂オハ641.JPG

オハフ33455、こちらは戦後製のキノコ型と呼ばれる妻形態を持つ。
屋根は鋼板製だ。
新高砂オハフ33455斜め.JPG

それの別の日に撮影した一枚。
新高砂オハフ33455別日.JPG

前にも出したがオハ35を改造というか、車番変更したオヤ304、オハ31系出自だった前車と入れ替えて出場した。吹田操車場の通勤用だ。
新高砂オヤ304.JPG

オハ41シリーズはいずれも通勤ラッシュの激しい線区に投入された、元優等車両で全て2ドア化、ロングシート化されている。

番号不明、オハ41が並べられている。
350番台だろうか。
岡山の伯備線電化や新型客車投入による余剰で廃車になったもの。
新高砂オハ41.JPG

オハ41351、元特ロ、43一党に相当する二等車出自。
新高砂オハ41351.JPG

オハ41365、こちらも同じグループ。
新高砂オハ41365.JPG

オハ41367。
新高砂オハ41367.JPG

このグループの車内。
オハ41共通だが、全長18メートルにも及ぶ「ロング」シート。
しかし、通勤時しか使われず、それも大抵のところで1~2往復で終わりという使われ方で、廃車時にも傷みはほとんどなかった。
新高砂オハ41車内.JPG

オハ41454、スロフ53からの改造車で、客車の中では異色とも言える狭い吹き寄せの明快な窓配置が特長だった。
新高砂オハ41454全景.JPG

そのアップ、アルミ窓枠が似合う、見るには美しい車両だ。
新高砂オハ41454アップ.JPG

オハ4154、オロ40からの改造車で、35一党の広窓をさらに一回り広くした窓を持っていた。
新高砂オハ4154.JPG

その車内。
新高砂オハ4154車内.JPG

窓、窓が大きくなる分、かなりの重量増になる。
オハ35やスハ43で用いられた釣り合いバネでは、ややバネの復元力が足らず、傷むバネの交換が多かった記憶がある。窓幅は1200ミリだった。
新高砂オハ4154窓.JPG

オハネフ1213、夜行鈍行「南紀」に使われていた車両で、写真は廃車時のものだが、前回入場の再の大規模な補修跡が見える。
水抜きが不十分な加工窓、弱い材質、冷房化工事での無理な負荷が重なり、製造20年でほとんど使い物にならないくらい劣化していた。
新高砂オハネフ1213.JPG

オハネフ12の妻面。
新高砂オハネ12妻.JPG

製造・改造銘板。
短い一生の間に二度も大掛かりな手が加えられた事が伺える。
新高砂オハネ12妻銘板.JPG

車内。
解体前提ですでに鏡がはずされている。
新高砂オハネ12車内.JPG

寝台。
20系とは異なり、中段寝台が座席使用時の背もたれになる。
背もたれの上の壁面は開く事ができた。
新高砂オハネ12寝台.JPG

全般検査の作業中。
新高砂オハネ12工事中.JPG

オロネ10、「きたぐに」で使われいたもの、
廃車時に3両が並べられた。
オロネ102032ほか。
新高砂オロネ102032.JPG

オロネ102039サイド中央のアップ。
オロネ10はほかの10系客車と異なり、腐食部分が少なく、最後まで上質な雰囲気を保っていた。
新高砂オロネ102039サイド.JPG

オロネ102032ほか。
新高砂オロネ102039ほか.JPG

オロネ102032の中央部。
新高砂オロネ102032中央.JPG

オロネ102066。
新高砂オロネ102066.JPG

オロネ10の車内。
絨毯がはがされ、寝台も付属品がない状態でも上質さがうかがえる。
新高砂オロネ10車内.JPG

寝台、昼間は折りたたんでボックスシートとして使う。
新高砂オロネ10寝台.JPG

喫煙室。
非常口の部分に簡単な喫煙室があった。
新高砂オロネ10喫煙室.JPG

スロフ622021、全般検査で整備前の解体作業が終わったところ。
当時、天鉄も団体用途に一編成、このシリーズを有していた。
新高砂スロフ622021.JPG

スロ622047、ネガではこの車番が読み取れる。
天王寺所属表記だが、資料によれば品川にいたクルマ、ただし、写真でも所属表記が書き換えられているのがわかる。
新高砂スロ622047入場作業.JPG

スロ622070、スロ81系お座敷客車への改造工事。
編成中の「山城」になったようだ。
この81系客車は、システム的には12系とそろえられていた。
新高砂宮座スロ622070改造工事.JPG

その側面。
新高砂宮座スロ622070.JPG

スロ62のスロ81への改造作業。
すでに外観の作業が完了している。
新高砂スロ62お座敷改造工事解体.JPG

ナハ10102、現場では嫌われた10系客車は見るには美しかった。
新高砂ナハ10102.JPG

客車の通風器。
外した部品は専門の職場できちんと整備される。
作業前の積み上げの様子。
新高砂通風器.JPG

蓄電池。
車軸発電機により発生した電気は蓄電池を使って保存され、照明や放送に使う。
考えれば客車はエコ設計だった。
新高砂蓄電池.JPG

マヤ342007、以前のエントリー「事業用車の記録」で掲載漏れだったもの・・
この形式が今も存在することに驚きを感じている。
新高砂マヤ342007.JPG

オハフ50、50系客車は一般客車の置き換えように自動ドア装備で登場した。
けれど、基本的な考え方は旧型客車と変わらず、そういう意味では時代に置き去りにされる運命をもっていたのかもしれない。
新高砂オハフ50.JPG

最後に、高砂工場の奥にとどめられていたスロ601。
廃車解体と指図されても、現場の心ある人には、エポックメイキングな車両は貴重な資料であると認識する人もあり、こうして長年解体されず保管されていた。
けれど、その間に車内は虫の巣となり、屋根も崩壊してくる。
結局、保存されず解体されてしまった。
新高砂スロ601.JPG

この記事へのコメント

  • Kさん(紀州改め)

    2017年05月05日 06:01
  • Kさん(紀州改め)

    貴重なお写真ばかりで、これは客車ファンにとっては感動モノですね。
    とくに41シリーズなどラッシュ時のみの運用ということで、地味ながらも大変多彩な陣容で、このシリーズだけでも一冊の本になりそうですね。
    かえすがえすも優等車の保存がほとんどなされなかったことは痛恨の極みであります。
    こうさん、本当にありがとうございました。
    2017年05月05日 06:09
  • TM

    これは貴重な写真ですね。
    和田岬線のオハ64は管理人さんが担当しておられたのですね。
    私も、一度だけ乗る機会があり、ほんと、乗っておいてよかったと思います。
    増設された引戸の中扉は、当たりゴムが柔らかい材質のものであったと記憶しております。ブレーキ等でドアが突然閉まった時の安全対策で、柔らかいものが用いられていたのでしょうか。
    2017年05月06日 20:18