2022年08月16日

神戸電鉄3000系の49年。

神戸電鉄と言えば、僕がまだ子供の頃は「神有電車」のイメージが残っていて、いかにも山の中を走る長閑な電車というイメージだった。
そのイメージは徐々に都市化される中で、変貌していくのだけれど、その変貌の最たるものが車両面で言えば3000系の登場だっただろう。
昭和48年、1973年のことだ。

地元川崎重工が得意にしていたオールアルミカーで無塗装、ラッピングで赤を表現していたし、時代の趨勢に従って3ドア、冷房付き、そして多段式制御装置は下り勾配での低速度制御、空気ばね台車もついた意欲的な設計。
特に50‰の急こう配が連続する路線ゆえ、設計には気を使っただろうと思う。
同じ時期のお隣、山陽電鉄の3050系が、冷房は設置したものの安定した既存車両のシステムに拘ったことと比すると、その冒険心が見て取れる。
デザインも正面二枚窓、側面下降窓で、あらゆる面で当時の最新の鉄道車両だったことが伺えるだろう。
この3000系の容姿を編成ごとに見ていきたいと思う。

3001F、昭和48年に登場した第一編成だ。
菊水山にて。
神鉄3001菊水山カラー (2).JPG

この編成の反対側、3002、新塗装、鵯越で。
神戸電鉄3002.jpg

3003F、菊水山のトンネルから顔を出す図。
神鉄3003菊水山.jpg

加古川橋梁を渡る。
神鉄3003加古川1.jpg

サイドビュー、下降窓・3ドアが都会的な雰囲気を生む。
神鉄3003加古川サイド.jpg

粟生駅にて。
神鉄3003粟生.jpg

この編成の反対側、3004、長田駅近くの桜並木で。
0412長田3004.JPG

3005F、鈴蘭台にて。
0316鈴蘭台神鉄3005.JPG

反対側3006、道場にて。
0504道場神鉄3006.JPG

実はこの車両のみ、前面が塗装されている。
この写真の一番左が3006だ。
0306鈴蘭台神鉄3006・3016・3012.JPG

3007F、旧谷上駅で。
この編成から尾灯が変更された。
神鉄3007谷上.jpg

こちら、箕谷にて。
神戸電鉄3007箕谷カラー.jpg

反対側、3008、鵯越にて。
1124鵯越神鉄3008.JPG

3009F、鈴蘭台にて。
この編成は皇太子・皇太子妃殿下の御乗用として抜擢された過去を持つ。
神鉄3009すずらん台.jpg

こちらは藍那にて。
0124藍那神鉄3009.JPG

その反対側3010、菊水山にて。
神戸電鉄3010ク菊水山トンネル.jpg

菜の花畑を行く。
0315葉多神鉄3010.JPG

3011F、長田にて。
0922長田神鉄3011.JPG

こちらは二郎にて長閑な風景を行く。
0820二郎神鉄3011.JPG

反対側3012、樫山にて。
0430樫山神鉄3012.JPG

こちらは新開地で発車を待つ様子。
神戸電鉄3012新開地.jpg

ここまでが1~2年ごとに1編成ずつ増備された初期型だといえるだろう。
ここから、平成元年の増備以降、二次型ともいえる内外を刷新した形態になった。
外観上は赤のラッピングによるイメージが変更され、運転台後ろにKマークがついた。
車内では蛍光灯にカバーがついて、座席袖仕切りが変更されている。

3013F、丸山にて。
0210丸山神鉄3013.JPG

反対側、3014、鈴蘭台にて。
1226鈴蘭台神鉄3014.JPG

サイドビュー谷上にて。
0430谷上神鉄3014.JPG

3015F、鈴蘭台にて。
0303鈴蘭台神鉄3015.JPG

こちらは田植え時期の二郎にて。
0430二郎神鉄3015.JPG

反対側3016、道場にて。
0504道場神鉄3016.JPG

3017F、平成3年製造の3000系としては最終増備車だ。
この編成の二か月後に次期系列である2000系が登場する。
鵯越で。
0818鵯越3017.jpg

こちら有馬温泉。
トンネル有馬温泉神鉄3017.jpg

その編成の反対側、3018、二郎にて。
0303二郎神鉄3018.JPG

3000系はその制御装置などの特殊性により、引退が始まっている。
1100系などが更新されていることを思うと、なんとも理不尽な気がするが、このあたりは堅実な設計で走った山陽電鉄が、長い目で見れば勝ちという事になるのだろうか。
山陽の3050系はまさに同期だという事になると思うが、初期の3編成は廃車されたものの、残りは鋼製車は更新されて活躍しているし、後半の増備から登場したアルミ車は今もほぼ原形のまま活躍している。

木津付近を行く3014.。
0303木津神鉄3014.JPG

箕谷、30年以上前の撮影だ。
神戸電鉄3000番号不明カラー箕谷.jpg

鈴蘭台で後継の5000系と並ぶ。
0623神鉄鈴蘭台3014・5018.JPG

3018・3008・3012、3編成が並んだ、車庫の風景。
0906鈴蘭台車庫神鉄3018・3008・3012.JPG

恵比須付近、単線の木製電柱の間を行く。
0104恵比須神鉄3014.JPG

鈴蘭台西口、トンネルから出てきた。
0104鈴蘭台西口神鉄3013.JPG

夏の二郎を行く。
0820二郎神鉄と花.JPG

秋の紅葉の季節、谷上にて。
1125谷上神鉄3016.JPG

3000系は9編成が建造され、けれどすでに4編成が廃車、1編成が廃車前提の休車となっている。
残り稼働は4編成のみだ。
最近、めったに出くわさなくなってしまった。
最期の日まではまだ、かなり時間があると思うが、どうかその性能を遺憾なく発揮し、特殊な急こう配の都市路線である神戸電鉄での安全運行が全うできるよう、祈ってやまない。
081015神鉄道場3014雨.JPG
posted by こう@電車おやじ at 15:28| Comment(0) | 関西私鉄の思い出 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする