イベントとしては赤い車体にカラーテープを貼っただけの簡素なものだが、車両がパノラマ世代を思わせる6000系初期車であることから、かつての7700系特急を思わせ、評判も上々、僕も一度、丸一日使って見に行った。
沿線利用客にも好評のようだ。
さてこの白帯車(はくたいしゃと読む)は国鉄117系への対抗として昭和57年3月改正で登場したものだ。
これまでSR車がどれでも使われていた「特急」という種別に「専用車両」を設定したもの。
それまでも特急と高速が指定席と自由席で分離された時に、なるべく特急には赤い座席に改装した車両が使われるようにはなったのだけれど、それを一歩進めた形だった。
真っ赤でカッコいいパノラマカーが白帯を巻くと、さらに特別感が増す。
これは人によって差異はあろうかと思うが、僕はこの白帯特急が大好きになったものだ。
名電山中付近、今の舞木検車場のある辺りをいく7000系白帯車だ。
名電山中、東海道に沿った辺りか。
こちらは別方向の後追い。
列車は滑るように去っていく。
名電山中駅を通過する白帯特急。
まさかここが高架になるなんて思いもしなかった本宿駅にて。
こんなクラシカルな駅だった。
犬山橋。
7700系白帯車を増結した6連座席指定なんて列車もあった。
石刀。
秋の稲穂の向こうを快走する。
岐阜東陸橋。
この列車も8連だった。

新岐阜空で回送で茶所へいく列車。
豊橋へ向かっていく座席指定特急。
豊橋。
到着した白帯特急。
増結車は7700系だった。
今伊勢。
颯爽と通過する座席指定特急。
岐南。
この頃はまだ通過線は下り側にあるだけだった。
去っていく列車。
東笠松。
正面から列車を捕らえることが出来た。
ただし急行運用で、専用車の本数が増えたころにはよく見たものだ。
日の落ちた駅を通過する特急。
阿久比・椋岡のあたりか。
赤(スカーレット)に白帯を巻いたのはこの特急専用車が初めてではない。
5500系などもかつてその塗装だった時代があるし、美濃町線モ600形も当初は赤に白帯だった。

パノラマスーパーが出たあと、平成2年には名古屋本線で特急と高速が統合され、ほとんどの列車が指定席(のちの特別車)と自由席(のちの一般車)の併結となった。
面白かったのはこの初期で、面白い編成が次々とみられた。
乙川を行く指定席7700系と自由席7000系。

7700系のサイドビュー。

7700系は2連で座席指定特別改装となり、支線特急にも活躍した。
知立にて。
東岡崎。

やがて、パノラマスーパーに専用の自由席(一般車)車両1200系が連結されると、白帯車といえども一般の急行や普通にも使われることが増えた。
中には廃車まで白帯を巻いたままの編成もあったという。
神宮前にて準急。
三河線ローカル。

ローカルにはもったいないほどの美しい車体だ。
こちらは本線の普通列車。

去っていく白帯車。
これが僕が生きている7000系を見た最後になった。
7039と記録している。

こどもの国から見た三河湾と蒲郡線。
7000系ではないし7700系ですらない、6000系ワンマン車だがやはりにSRの血を引いているゆえかよく似合っている。
いっそのこと、この路線全部、白帯車にしてはどうだろう。
少しでも路線自体の人気が上がると思うのだけれど。
パノラマカーの白帯車は、少しくたびれかかっていたパノラマカーに新しい魅力を与えてくれた。
活躍期間は短かったが、それでも記憶に鮮明に残る鮮やかさであったのは間違いがない。
