犬山橋はその一つで、ここは初めて名鉄を訪問した昭和51年春には既に列車(それもHLの普通)で通過してその驚きは相当なものだった。
そしてかなり早い時期からここを目当てに名鉄を見に行くことになる・・
当時、好きだった美濃町線・揖斐線にも近く、そういう意味ではお誂え向きの場所だったのかもしれない。
しかかも、道路併用橋という事で列車の速度は遅く、路面から見上げるように列車のもっとも格好の良い姿を撮影出来たのだからなおさらだ。
ただ、どうも犬山遊園側、つまり愛知県側からの撮影はほとんど記憶になく、一度は行ったかと思うが好きになれなかったのかもしれない。
なので今回のエントリーで紹介する写真のうち、古いものはすべて鵜沼側、岐阜県側からの撮影だ。
まずは大好きな7500系から。
名鉄最高峰の高性能電車もここではゆっくり、自動車と合わせて走らざるを得なかったが、それがまた楽しかった。
7507F、急行河和行き。
中間車7667が、美しい車体を魅せる。
こちらは7524。
カラーで後追いを。
橋梁の反対側、如何にも路面電車然とした雰囲気は橋梁側に負けぬくらい好きだった。
特急河和行きを追うクルマの列。
未来的な特急電車が車の中に呑まれる不思議な光景。
7500系先頭車から見た犬山橋。
ではそのほかの系列も
犬山橋は線路間の隙間が十分になく、幅の狭い名鉄車両といえど基本的には、すれ違わないようにしていたらしい。
7000系同士の出会いだが、片方の電車は通過を待っている状態。

しかし、時にはダイヤが押すのか、慎重にすれ違うシーンもあった。
キハ8000系がやってきた。
ダイヤが押しているのだろうか…
対向電車の通過を待たずに気動車はどんどん橋梁に進む。
向こう側の線路には7500系が通過中だ。
7500系とキハ8000系のまさかの橋梁上でのすれ違い。
当時の僕も非常に驚いたと記憶している。
8000系は8200形が車体長が長い分、車体幅を抑えてあるらしいがこの車両はトップナンバー、キハ8001だ。
旧型車もまだたくさん走っていた。
小牧線直通のモ804。
HLク2702。
パノラマの車体を持つツリカケ車、7300系。
SRの姿もいい。
5500系だ。
こちらは高運転台5509か。
6000系がまだキラキラしていた頃。
6連で「ドラゴンズ」看板を付けていく。
こちらは2連回送。
パノラマデラックス登場!
本邦初、二階展望室を持つ観光電車だ。
大きな窓、ゆったりした室内が垣間見える。
あまりにも意欲すぎた電車。
このあと、JRはじめ各地でこの手の車両が出てくるがまさに時期尚早。
8803と読めるから第二編成だろう。
このあと、これに乗りたくて新鵜沼駅に走ったのも懐かしい思い出だ。
ついでにこの素晴らしい車両の車内を。
当時310円の特急指定券がこの車両に限って510円。
今なら何とも思わない金額だろうが、当時はずいぶん高く感じたものだ。
展望室。
今のパノラマスーパーの源流を見る気がする。
反対方向行きの写真も撮影していた
パノラマスーパー登場!
当初は全車指定席、4連で運用されていた。
この方向の展望車は今は見られない。
後追い。
橋の中ほどで撮影したパノラマスーパー1000系。

木曽川の石票とパノラマスーパー。

パノラマデラックスも3連にされた。
後追い、この後はまさに活躍の場を広げてくれると信じていたが‥
6000系は非貫通、鉄仮面の顔となって進化していった。
こちらはさらにライト回りが簡略化された増備車、2連の6800系だ。
高山線直通特急もキハ8500系にモデルチェンジ、ただ、この車両の活躍期間は短く、僕はこの時に撮影したのが唯一だ。
1600系登場、当時は正面に「PanoramaSuper」のロゴが入り、7000系に対する7700系、と同じく、1000系に対する1600系だと思ったものだ。

後追い。

白帯パノラマカー。
パノラマカーの魅力をさらに広げてくれたが全盛時はさほど長くは続かなかった。
白帯車の回送。
こちらは白帯車の6連、その7700系との連結部。
20世紀末、1999年ごろに訪れた犬山橋。
そこを行く、ニューフェイス3500系。
ついに名鉄も純然たる通勤車両を作り始めた。
だがさすがにデザインセンスは良い。
ロングシートだが名鉄らしいデザインの車両だ。

SRの末っ子、5700系。

先頭車同士連結された部分、まるでキスをしているようだ。

ドラゴンズ看板付きの6000系初期車。

暫く名鉄に通えない時期が続いた。
その間に愛すべき鉄道は大変革をされていて、久しぶりに訪問した僕はしばし困惑した。
青い2000系ミュースカイと赤い2200系特急の出会い。
併用軌道はとうに解消され、鉄道専用橋に変貌していた。

ステンレスカーの存在にも違和感を感じてしまう。
5000系を名乗るこの電車の足回りはかつてのパノラマスーパーだという。
1800系増結車が後ろの1200・1000系からなる8連の先頭に立つ。
前は旧塗装、後ろは新塗装だ。
こちらは新塗装編成1200・1000系だ。
6500系が健在だったのは嬉しかった。
犬山遊園側から最後のSR、5700系を。

今はパノラマスーパー展望車は、豊橋・河和方向にしか連結されないので、必然的にかっこいい車両を撮影しようとすると犬山遊園側しかチョイスできない。
橋梁上は歩道も撤去され立ち入り禁止だ。
遠い日の憧れだった車両たちの大半が去った今、それでも僅かに残る当時を知る電車や、心から愛したパノラマたちの余韻を求めて僕は犬山橋に立ち寄る。
彼らの姿など有り得ないのは分かっていながら。
