2021年05月12日

DD51 追想

今春、3月のダイヤ改正で国鉄から承継したDD51形ディーゼル機関車の定期運行が終了したという。
JR貨物からDD51の定期貨物列車が消えたのだが、今、まだJR東と西に数両ずつ残っているわけで、完全引退ではないだろう。
ただ、残る機関車も、工臨などの牽引が各社キヤに置き換えられている現状もあり、今残存しているDD51ももはや長い命ではないだろう。
昭和37年に第一号機が登場して半世紀以上、今、自分のデータに残るDD51の写真を眺めてみたいと思う。

本線用機関車でありながら凸型、それまで大型蒸気機関車や電気機関車、ディーゼル機関車でもDF50などを見慣れていた眼には、DD13をそのまま大きくしたような外観にがっかりされた方も多かったに違いない。
だが、総出力は当初2000PS、すぐに2200PSに改良され、本線用として申し分ない性能となり、しかも、重連用シリーズも登場、その虚飾を配した重厚なデザインはSL引退後に却って鉄道ファンの人気を集めるようになった。
虚飾を廃したために使いやすく、保守しやすく、極寒の地から南国まで四国を除く全国で愛用されたのは国鉄機として傑出していたのではないかとも思える。

僕がDD51に接したのは鷹取工場での見習い時代、その後、仕事の相手としては機関車から離れたので接する機会がなく、福知山線で撮影を楽しんでいた頃がこの機関車の魅力にはまった始まりだろう。

武田尾の夏、客車列車を牽いて発車していく。
武田尾夏のDD51ナハフ11発車.jpg

秋、渓谷の中に重厚なエンジン音が木霊する。
武田尾秋DD51.jpg

冬、朝に降った雪を踏みしめる。
武田尾雪のDD51.jpg

冬枯れのススキの原を行く。
武田尾冬枯れススキDD51762.jpg

旧型客車を牽く姿は絵になった。
福知山線DD51・オハフ33・スハ43.jpg

だが、後の12系も悪くない・・いやむしろ華々しくさえある。
武田尾カラー上りDD51・12系.jpg

福知山線普通列車は、いったん12系というサービスに僕らも利用客も小躍りしたが、電化で中古の113系電車となってしまった。
福知山線DD51・12系.jpg

トンネルから鼻先が飛び出てくる。
武田尾上りDD51トンネルはな出し.JPG

雪のトンネル坑口。
武田尾雪のトンネルDD511129.jpg

そして雪の武田尾駅。
武田尾雪のDD51754入線.jpg

軽量客車も絵になった。
福知山線DD51・ナハフ10.jpg

入線する834号機。
正面武田尾DD51834.jpg

餘部、余部橋梁でもDD51の重厚さは僕を魅了した。
雨の餘部DD511133.jpg

橋を遠望する、今、こんなに堂々とした普通列車は存在するだろうか。
香住餘部遠望DD51スハフ42ほか.jpg

1171号機が普通列車をけん引して入線する。
S54餘部DD511171.JPG

民家の屋根越しに客車列車。
香住餘部DD51マニ50ほか民家屋根.jpg

まだこの頃は貨物列車もあった。
DD51ホキ・ワム貨物餘部.jpg

雪の餘部駅に、ローカル改造された12系を牽引して到着。
この12系は僕が改造工事の仕事をさせてもらった車両も含まれる。
入線2餘部DD51.jpg

香住、普通列車をけん引。
香住餘部香住DD51761.jpg

寝台特急出雲3号。
DD511117出雲香住.jpg

松江。
初期型による普通列車。
松江DD5149普通.jpg

50号機単機。
松江DD5150単機.jpg

貨物列車を牽引するのは1170号機。
松江DD511170貨物.jpg

乃木、1111号機による貨物列車。
松江乃木DD511111貨物.jpg

来待での普通列車。
山陰線来待DD51普通列車入線.jpg

宍道、急行「さんべ6号」を牽引する。
発車宍道DD51さんべ.jpg

貨物列車、機関車の次位はワフだ。
宍道DD51ワフ35037.JPG

九州は筑豊本線飯塚にて、50系客車を牽引する624号機。
国鉄九州DD51624・50系飯塚.jpg


愛知県一宮付近、ユーロライナー牽引機。
ユーロライナー機関車DD51.jpg

秋田にて、男鹿線牽引列車。
S62秋田DD51744.JPG

北海道、音別の海岸で。
1011号機牽引、貨物列車。
S62音別DD511011.JPG

宗谷本線勇知にて。
急行「宗谷」
S62勇知DD511093「宗谷」.JPG

後追い。
日中のブルートレイン活用として注目された列車だったが長続きしなかった。
S62勇知急行宗谷DD51・14系.jpg

伯備線の重連。
伯備線布原DD51貨物俯瞰.JPG

重連。
伯備線布原bwDD51俯瞰.JPG

蒸気機関車なきあと、静かになった山里にエンジン音が木霊する。
伯備線布原bwDD51貨物俯瞰.JPG

鷹取工場での検査風景。
鷹取機関車主棟.jpg

DML61Zエンジン。
鷹取工場DD51エンジン.jpg

ここからはごく最近の様子だ。
地元、大蔵谷にて。
1109号機の工臨。
0915大蔵谷DD511109工臨.JPG

東垂水にて、1191号機。
1211東垂水DD511191.JPG

朝霧駅近く、1192号機。
1028狩口DD511192.JPG

四日市にて貨物、825号機。
0722四日市DD51825.JPG

1502号機のサイドビュー。
0730四日市DD511502.JPG

国鉄色805号機。
0724四日市DD511805.JPG

新今宮にて、早朝の工臨1109号機。
0524新今宮DD511109.JPG

12系客車を牽引する「ハンドル訓練」列車。
大蔵谷駅。
0227大蔵谷DD51・12系.jpg

網干総合車両所一般公開時、「あすか」展望室から牽引機を望めた。
1103網干あすか展望室DD51.JPG

友人たちに誘ってもらい、「サロンカーなにわ」団体貸切列車に京都・敦賀間で乗せてもらった。
牽引機は1191号機。
木之本にて。
0526木之本サロンカーなにわDD511191.JPG

敦賀にて。
0526敦賀サロンカーなにわDD511191.JPG

「なにわ」との連結部。
0526木之本サロンカーなにわDD511191・スロフ14703.JPG

よく考えれば、自分にとって、最もお世話になった機関車であることは間違いがなく、折に触れ牽引列車に乗せてもらったり、撮影の主役として来てくれたりと、いまでもふっと、工臨やハンドル訓練で走るときに、カメラを向けさせてもらったりもする。
つい先日、大蔵谷駅で撮影したハンドル訓練列車。
0502大蔵谷DD511183 -2.JPG

加古川左岸で。
0225加古川西岸DD51B (6).JPG

都会を行く、神戸三宮。
0109三宮DD511193接近.JPG

派手なところはないが地味で力持ち、使いやすく故障の少ない優れた設計、それゆえ、製造開始半世紀を経ても未だにごく僅かだが現役でいる機関車。
今、若い人たちの間でこの機関車が人気だという。
国鉄の堅実さを世間が求めている証拠なのだろうか。
最後は余部橋梁を渡る普通客車列車で。
餘部DD51普通カラー.jpg
posted by こう@電車おやじ at 22:09| Comment(6) | 国鉄の思い出 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする