2019年06月11日

山陽新幹線への憧れ

昭和48年4月、わが家族は大阪から加古川市に転居、それは父の転職によるものだった。
そのとき、荷物と一緒に先行した父以外の大家族は山陽電車、電鉄別府駅で下車、電車を下りた途端、目の前を山陽新幹線の列車が派手にパンタグラフからスパークを飛ばして、突っ走っていった。

中学生になったばかりの僕の目には、驚愕の風景だったのは間違いがない。

新幹線そのものは、わが父方の家系が関東方面に縁が深く、幼少の頃より何度も乗車しているが、沿線で走っている姿を、それも間近で見たのは初めてだったのだ。
その電鉄別府駅での新幹線列車、これはその後、10年ほど後の撮影だ。
別府0系.JPG

当時の新幹線電車(まだ0系という系列名はなかった)は16連でパンタグラフを8基上げて、走行音もそうだが、パンタグラフの騒音、また派手なスパークとともに発生する誘導障害が大きな問題になっていた。
別府0系2.JPG

当時は新幹線と言えば、同じ系列しかない時代、国鉄入社後も新幹線には電車のような〇〇〇系という呼び名がないことが不思議だった。
ただ現場は形式で呼んでおり、26形とか37形で十分だったのだろう。
鉄道ファン誌では「000系」と記されていたが浸透はしていなかったように思う。
西明石駅で名古屋へ電車を見に一人旅した時のスナップ。
こだま国鉄0系西明石.JPG

自転車で加古川橋梁を見に行き、まともに新幹線を撮影した初めてのカット。
0系加古川.jpg

これ以降、いまだに僕は加古川橋梁には撮影に出かけていて、ここに来る度、自分が歳をとっても変わらないことに、我ながら呆れたりもする。
当時の中学生鉄道ファンのお目当ては「特急」か「機関車」だったから、時に新幹線も撮影する僕は、仲間内でも相当変わった者とみられていたようだ。
同じ形しか来ない新幹線はそれほど、鉄道ファンには人気がなかった。
0系顔加古川橋梁東.JPG

背景は飯盛山、低い山だが当時から望遠で遠近感を圧縮すればまるですぐ、うしろにあるかのように見えるのが好きだった。
0系サイド飯盛山背景.JPG

後尾、こうしてみると当時の新幹線はやはりかっこいい。
0系サイド飯盛山背景2.JPG

高御位山を背景に新幹線が行く。
加古川橋梁0系高御位山0系.JPG

100系が登場して、初代の新幹線電車も「0系」と呼ばれるようになった。
加古川橋梁は空が広く、新幹線車両の車体色とマッチした写真が撮れるので好きだった。
この頃から、自分以外に新幹線を撮影する人に出会うことが増えた。

100系が出会う。
加古川橋梁新幹線100系出会い3.JPG

ちょうど片方のダブルデッカーの部分に片方の先頭車が来た。
抜群のタイミングだ。
100系出会い加古川.jpg

もうこうなると列車の写真というより空の写真だと自分で苦笑する。
しかし、この100系の出会いを撮影できたことは写真を趣味としていくことに大きな励みとなったのも確かだ。
加古川橋梁新幹線100系出会いサイド.jpg

「グランドひかり」と呼ばれる豪華な編成も登場した。
グランドひかり100系16連加古川橋梁.JPG

その中間車、ダブルデッカー4連、JRがまだ、新幹線にも旅を楽しんでもらう工夫をしていた頃だ。
グランドひかり100系中間車.JPG

0系にも「ウェストひかり」が登場した。
当初は6連で、のちに12連も登場した。
ウェストひかり0系12連加古川橋梁.JPG

反面、山陽区間の「こだま」は6連のものも登場した。
加古川橋梁新幹線0系6連.JPG

サイド・・
加古川橋梁新幹線0系サイド下り側.JPG

100系が走る、背景は当地の名所、石の宝殿だ。
100系加古川橋梁東石の宝殿背景.JPG

100系のハイデッカー、これは通常の編成だ。
100系秋加古川中間車.jpg

新幹線にさらに新型が登場した。
300系とのことだ。
当初はこの系列のために登場した、「のぞみ」に使われた。
加古川300系16連.jpg

0系から100系への進化はよくわかるが、この300系は山陽区間では何となく影が薄い。
300系横顔加古川.jpg

加古川でのサイド。
山陽新幹線300_4.jpg

これは岡山での撮影だ。
新幹線300東岡山.JPG

ずっとのち、今の地元、長坂での撮影。
300系長坂.JPG

こちらは後継に「のぞみ」を譲り、「ひかり」で運用される様子。
西明石。
300系西明石.JPG

山陽新幹線と言えば、なんといっても500系だろう。
革新的なスタイルはまさに速さの象徴だ。
登場間もないころ、加古川で見た姿にはしびれた。
新幹線500系加古川.jpg

サイドビューはことのほか美しい。
のぞみ500系サイド加古川.jpg

当時は2時間毎に「のぞみ」で走っていたかと思う。
500系のぞみ加古川橋梁1.JPG

西明石駅にて、500系が0系を追い抜く。
新幹線500・0西明石.JPG

500系が300系を追い抜く。
西明石500系のぞみ.jpg

500系とさほど変わらずに登場したのが700系、ただスピードは出ないし、500系の陰に隠れて地味な存在に思えた。
鉄道ファン目線で見ると下膨れの可愛い顔、すっきりとした外観は清潔感に溢れ、決して嫌いな車両ではない。
西明石での700系。
0313西明石700系.jpg

地元、長坂でのサイド。
0318長坂700系.JPG

加古川橋梁を行く。
0508加古川橋梁700系下り.JPG

加古川にて16連の700系。
0505加古川橋梁700系16連.JPG

700系レールスター。
当初、「ひかりレールスター」として登場、ウェストひかりを置き換えた。
後に後継のN700系7000番台の登場によりほとんど「こだま」運用となった。
ただ、個人的には700系はシンプルな方が美しく感じる。
夕陽を浴びて加古川を渡る。
0302B加古川新幹線700レールスターこだま.JPG

明石川を望むショッピングモールから。
0306明石川700系レールスターこだま.JPG

地元長坂での様子。
0226長坂700レールスター.JPG

923形新幹線電気軌道試験車・・愛称「ドクターイエロー」
700系ベースで開発された高速試験車で、ネット時代になってある程度運行が予測できるようになり、撮影チャンスが増えた。
加古川、飯盛山背景。
0302加古川新幹線8・923D.Y..JPG

夕陽を浴びて走る。
0206加古川橋梁D.Y.1.JPG

西明石駅、先輩の500系と並ぶ。
新幹線で最も人気がある組み合わせだ。
0807西明石上り500系こだま・D.Y..JPG

雨模様の夕方、同じシーンでも印象が変わる。
0117西明石500・D.Y. (4).JPG

N700系。
JR東海が「700」をブランドイメージにしたいそうで、700→N700⇒N700A⇒N700Sと進化、私鉄並みにN700系は770系とすれば分かりやすい・・・かな??
長坂で一瞬の出会い。
長坂N700流し撮り.JPG

西明石で先輩500系を追い抜く、
0313西明石500系N700系二本目.jpg

加古川での一瞬の出会い。
0711加古川4・N700離合.JPG

江井ヶ島にて、風がなく水鏡になった日。
0928・12江井ヶ島N700A水鏡.JPG

N700系7000・8000番台。
九州新幹線開業用で、「みずほ」「さくら」「つばめ」のほか、山陽区間の「ひかり」「こだま」にも使われる。
写真表現するには何とも難しい水色の車体だ。
日没後の江井ヶ島を行く。
20181207江井ヶ島N700さくら.jpg

日没、ずいぶん経過してまもなく夜になるころ、加古川を行く。
まるで夜行列車の趣だ。
1129加古川橋梁N700さくら日没後.JPG

別府で山陽電鉄と並んだ。
0618別府山陽6100・N700.JPG

500系は「こだま」に転用され、JR西としての遊び心が加えられるようになった。
エバンゲリオン塗装。
長坂。
0601長坂EVA500A.JPG

明石川。
0328明石川500EVA1.JPG

新神戸でN700系と500TypeEVAが並ぶ。
500TYPE・EVA、N700新神戸.jpg

ハローキティ。
長坂。
0820長坂ハローキティ500系.JPG

加古川橋梁。
1217加古川橋梁500系下りKitty.JPG

基本的に、僕が新幹線を撮影するのは姫路から新神戸の間の地元が大半だ。
地元の街を駆け抜けるその姿が好きなのかもしれない。

数度、地元以外で撮影したことはあるが、いずれも他の鉄道を訪問する「ついで」で、新幹線のために遠方へ撮影に出かけたことはない。
僕にとって高速で突っ走る新幹線は、あの別府の駅で見た衝撃を今も引きずっていて、それがまたカッコよく感じるのだ。

そして今、一番ハマっているのは、「こだま」で走る500系だ。
編成は短くなったが、なんだか地元のスーパーアイドルのような気がするから不思議だ。

西明石にて。
0313西明石500系到着.jpg

長坂。
0430長坂上り500系.JPG

江井ヶ島。
0928・16江井ヶ島500系下りこだま水鏡後尾.JPG

畑の中を走る・・・
1231南別府500系上り2.JPG

伊川谷の丘の上を走る。
0101500系こだま下り.JPG

夜の西明石にて。
西明石下り500系サイド.jpg

高砂市と加古川市の境に位置する名峰、高御位山を背景に・・
ドクターイエローが行く。
高御位山とD.Y..jpg

500系こだまが行く。
0601加古川橋梁山陽500系上りこだま.JPG

新幹線よ、どうかこれからも速くて安全な、庶民のスターとして活躍してくれることを念じながら。
N700夕景イメージ.jpg
posted by こう@電車おやじ at 23:42| Comment(4) | 国鉄の思い出 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする