今回は大阪府・京都府の府境(ふざかい)付近での京阪電車の風景を取り上げたい。
撮影時期は昭和55年ごろから58年ごろにかけてだ。
かつての京阪特急は京橋・七条ノンストップであり、中間の駅で下車するには急行以下の種別を使うしかなかった。
それでも、特急に乗れなくても、この場所の風景が好きになり、一時は足しげく通ったものだ。
淀川沿いの花街のあった風情の残る橋本、そこに入る2600系・・・
春、桜の向こうを走る1900系、古風な外観がこの場所の雰囲気にふさわしい。
編成中間と桜・・
1902を先頭にした普通電車。
向きを変えて、同じ電車を撮影する。
1900系も当時は7連で走っていた。
北摂の山を眺めながらかつての特急車が行く。
1910・・1810系からの改造車だ。
1925、こちらは「新」1900系。
2400系が7連で行く。
府境で3000系特急が出会う。
この場所は特急が出会うポイントでもあったようだ。
特急の車内では、ながらく都市部を走ってきた車窓が、穏やかな緑に変化するこの付近の景色にほっと一息をつく乗客があったのだろう。
ホンのひと時、京阪電車のオアシス的な風景で、クロスシートの値打ちも出るというものだ。
3008のサイド。
2600系が4連で行く。
当時、2000系からの改造が終わったころだろう。
5000系が行く。
この辺りには場違いに見える日本初のラッシュ対応、多ドア電車・・
5000系のサイド、角ばった車体、機能本位のデザインがかえって清々しく、気持ちの良いデザインだ。
5606を先頭に行く5000系。
カラーポジ原版、実は露出設定を失敗していて、露出オーバーになっていた原版を、画像処理で復元してみた。
北摂の山を背景に5000系が行く。
3000系、この5000と3000の両方をほぼ同じ時期に製造した京阪電車の、きめの細やかなサービスは賞賛に値する。
3000系特急の出会い。
1900系、京阪電車の特急車格下げ改造はデザインも優れ、上品な一般電車に仕上がるように思う。
橋本・樟葉間を歩くことが多かった。
樟葉よりの区間で・・・
3012先頭の特急・・画面左は淀川の土手だ。
その後ろは3511だった。
1900系編成が行く。
3513先頭の特急。
5000系と1000系が並んだ。
5556と1006だ。
先ごろ、この5556が引退した。
樟葉駅ではまだ昇圧前で、登場したばかりの4連の6000系が見られた。
今やこの辺りの風景は激変した。
開発業者や自治体には、ある程度は都市圏にあっても、日本独特の田園風景を残す努力をするべきではないかと思うのは、古い人間の妄想にしか過ぎないのだろうか。
春の田圃に少女たちが集まって遊ぶ、その向こうを1900系が行く。