今、「えちぜん鉄道」となっている京福福井だが、昭和50年代当時はとても元気な鉄道だった。
僕が訪問するのはいつも福井鉄道のついでになってしまっていて、まともにきちんと記録していないのが今思えば残念極まりない。
だが、京福福井には南海や後に阪神の車両も転属していて、決して素通りできる鉄道ではなかったのである。
それ以上に隣の福井鉄道が今も昔も絶大な個性を誇っているというわけだ。
昭和50年代半ばからこの鉄道の訪問を始めた。
といっても、前述したとおり、福井鉄道のついで的な存在であることは否めない。
最初は北陸線急行の車窓から見た福井駅の様子。
デキ531、この鉄道には信越アプトのEC40がいたが、その機関車を国鉄に返還したその代車として送られたものだ。
3006と254が停車している。
この3000形こそ、南海11001系の転属後の姿だ。
こちらは3003が見える。
北陸線でも特急列車ならばこういう写真を撮ろうとは思わないだろう。
このときは愛用していた急行「くずりゅう」の車窓だったと記憶している。
京福の福井駅。
国鉄駅からは中途半端な高さの連絡通路があったように記憶している。
意を決したかのように訪問した京福の福井駅では、そこにいるだけで興奮してしまうような車両が並んでいたものだ。
2015と251、2000形は南海1201形で、この記事の一つ前の貴志川線や、水間鉄道でも見られた。
ただ、この電車は腰の部分を濃い色合いに塗るのが似合うと当時も僕は思っていて、あまり格好良くは感じなかった。
こちらは2001と3003、1201系と11001系の出会いだ。
南海は製造後まだ10数年しかたっていない11001系特急車を京福に譲った。
京福は喜んだだろうが、車体が大きすぎるのか、台車などの設定が特急車としての故なのか、乗り心地はふわふわしていて、決して「良い」乗り心地ではなかった。
ホームで正面から撮影した。
南海から譲られた特急車には、11001系ごく初期の貫通タイプも入っていて、ここでは湘南タイプと貫通タイプの両方を楽しむことができた。
国鉄でいえばクハ86の初期型と二次型を同時に楽しむようなものだ。
3008という車番だ。
斜めから、南海特急車時代に戻ったかのような錯覚すら感じる。
この3001号は南海の11001系の中でも後半の湘南タイプの車両だ。
一目見た時、前面の帯が金太郎塗なのは良いとしても、帯の幅がずっと同じで南海のような繊細さを感じられず、ぞれだけで残念に思ったものだ。
3004、南海11001系は僕にとっては最高に好きな電車5傑(南海11001、名鉄7000・7500、京阪3000、阪急6300、国鉄117)に入る電車だ。
こちらは南海1201系からの2016、シルのところに太い帯というのは悪くはないが、この電車を古く見せると思う。
2015、こちらも南海1201系だ。
1002、この電車は戦後に自社発注して登場した電車で、ヘッダがないのが戦後生まれを物語る。
このすぐ後に阪神5101系の車体に乗せ換えられた。
2015と251。
この250形は小型ながら転換クロスの気持ち良い電車で、そのデザインとともに好きになったが、永平寺線の事故により使用中止、廃車になったのは残念だ。
この251号が事故の当該車両で、当時、運転をしていた運転士の方が殉職されている。
252、4両あったこの形式の1両。
「急行」の看板を付けている。
鉄道模型マニアが喜びそうな小気味良い電車ではある。
さて、上記3007の列車に乗り込むのだが、この時は時間の都合で途中までの乗車となった。
その越前島橋に到着した3007だ。
電車が発車していく。
交換は右側通行だったように思う。
構内から見た駅舎。
越前島橋構内、細いホームの幅員は阪神春日野道と大差ないのではないか。
そこへ入ってきたのは241だ。
ホームで電車を待つ婦人の日傘が季節を表す。
何度か訪問している鉄道で、だから撮影時期もかなり長期間に散発的になるのだけれど、これはかなり後の訪問の時の撮影だ。
勝山の駅舎。
このとき、大野も訪問しているはずだが、今はまだ原版が見つからない。
勝山の古風な佇まいには心ひかれた。
たぶん、勝山にはこのバスで来たのだろう。
大野との間を往復する京福バス。
かつて京福電鉄は大野まで路線を伸ばしていた。
駅舎脇から電車が発車しようとしている。
253、小気味良い京福スタイルのロマンスカーだ。
この電車の車内。
電車の中から見た発坂駅。
越前竹原では3007号に再開したが、正面デザインが大きく変化していた。
湘南型の流線形にしないのなら、貫通型のままにしてくれた方がかっこいいのに・・
地方交通が衰退し、株式公開の京福電鉄では路線が維持できない。
事故による運航中止命令の後、地元をしてその必要性に動かざるを得なくなったこの鉄道。
今では「えちぜん鉄道」として盛業中なのは頼もしい限りだ。
最後に、北陸新幹線高架を使った仮駅、福井駅に進入する国鉄119系を改造した7000形を。。