僕ももちろんそうで、自宅すぐ近くには神戸市電が走り、ほんの少し歩いて買い物に行くその商店街のすぐそばには神戸電鉄の駅があり、当然のように鉄道にはまっていくわけなのだけれど、、大人になっても、いや、中年期あるいは初老の時期になっても、未だに鉄道に想いを寄せるというのはこれは、生れつきの前世からの宿縁なるものか、あるいはそれほどに鉄道への想いが幼児の脳内を占める何か強烈なものがあったか・・
ただ、これだけは言えるのだけれど、地元の神戸市電や神戸電鉄、あるいは国鉄や山陽電鉄、阪神電鉄、京阪神急行電鉄と並んで、僕の心を占めた電車があった。
そこで本年最後になるだろう今回のエントリーではその一つである名鉄パノラマカーを取り上げ、今はもう生きて線路を走ることのない彼らへの、僕からの想いを届けたいと思う。
先だって、友人たちと宴会をしたのだけれど、その中で、僕が若き日に撮影した私鉄の中で、山陽電鉄はもちろんもっともその撮影量が多いのだけれど、京阪や近鉄、あるいは阪急や阪神よりもはるかに名鉄のネガが出てくるように思う。
このブログでは名鉄を取り上げると何故かアクセスが減る傾向にあるが、好きなものは仕方ないし、今回は新たに発掘したネガも出していきたいと思う。
今回発掘したネガは5700系がいて、未だ国鉄はJR化されていないので、昭和61年撮影であることが分かる。
この時期、僕は頻繁に名鉄通いを続けていた。
雨の中、東笠松駅から見た木曽川鉄橋・・真っ赤なパノラマカー、7500が来る。
急行が接近する。
4つのヘッドライト、真っ赤なボディに強烈なパノラマスタイル。
中間車が目の前を通過していく。
このサイドの連続窓がまた美しい。
列車が通過した。
余韻に浸ろうとしたその時、反対方向からもパノラマカーがやってきた。
やはり7500の豊川稲荷行急行だ。
接近する。雨の降るのも忘れ、夢中でシャッターを切る。
雨の中、真っ赤なボディが映える。
呆然として、列車を見送った。
だが、当時の名鉄は本当に素晴らしい鉄道で、この、かっこいいパノラマカーはいくらでもやってくる。
今度は白帯の急行だ。
当初、白帯車が出た時はよほどでないと特急以外の種別では見られなかったと思うが、この頃には急行や普通でも見ることができた。
なんと、その後尾には5500系が・・
特急列車の場合はこの編成では向きが逆になるのだが、これまた名鉄らしい楽しさというべきか。
列車が去っていく。
急行は次の笠松に停車するので速度はたいして出ていない。
半流線形とでもいおうか、7700系の白帯車が来た。
回送だ。
新型1000系パノラマスーパーによる特急。
いよいよ、真っ赤な展望大衆特急、7000・7500もその先行きが見え始めたころ。
6000系の回送。
ラッシュに威力を発揮し、SRの肩身が狭くなっていく。
東笠松の駅名標。
笠松競馬場が見える。
別の日、雨は降っていなかったが良いお天気というわけではない。
なぜか、この日のネガ古見は非常に傷んでいて、かなりのレタッチ、復元作業を必要とした。
方向幕の付いた7000急行。
6000系の普通。
こちらは7000による高速。
白帯特急!
迫ってくる7000急行。
木曽川の川べりで・・5500が来たがカメラが間に合わず、眺めていたら・・なんと後ろに7000、それも両開きドアの7100番台だ。
後尾は7000・・
7000が川を渡る。
たぶん、石刀駅と今伊勢駅の間辺りに行ったと思うが、その頃は広々とした田んぼが広がっていた。
写真で見る限り昭和61年の秋だろうか。
7500の編成俯瞰。
この場所を前回訪問時に探したけれど、見当がつかなかった。
国鉄165系が姿を見せる。
3連の普通列車だろうか。
この頃はまだ名岐間は名鉄の圧勝だった。
7000系と一瞬、出会う。
なお、この写真は原版ではわずかにシャッターチャンスがずれているのを、前後数枚の写真を合成して仕上げた。
当時の雰囲気を味わっていただければと思う。
7300系、パノラマの車体を持つ旧型更新車。
なかなか出会えなかった電車だ。
6500系、すでに大量輸送用6000シリーズも二世代目に入った。
ただ、僕は個人的にはデザインとしては6000系初期車が、7000のイメージを残していて好きだ。
新車5700系、国鉄民営化への対策として新たなSR系が誕生・・
だが昨今ではその冷遇ぶりもひどく、この当時のさっそうとした感じを今一度という感じだ。
こちらは5500、地味だが好感の持てるデザイン、都市間列車のお手本のような車両だ。
戦後日本初の大衆冷房車という栄誉も・・
7500のサイド・・美しく格調高く、そして、ハッと人目を引く・・
最後に木曽川を渡るパノラマ7000。
僕は名鉄電車が大好きだが、その細かい分類には詳しくない。
間違いなどがあれば是非にもご教示いただくと幸いだ。
拙小説サイトでも最近、パノラマカーをモチーフとした作品を出した。
僕にとってパノラマカーは強烈に愛した片思いの女性のようなものだったのかもしれない。
http://blog.goo.ne.jp/kouzou1960/e/c72b83b035f1a35e64cd017bccb0eae7
かの小田急で、紅いパノラマ展望室を持つ新型特急が発表された。
是非、名鉄でも今一度、紅いパノラマの新型を僕は強く望んでいる。
もう一度、あの頃のような、心ときめく名鉄になってほしいという古いファンの独り言ではある。